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書類を見ながら電卓を打って、合計が出た。念のためもう一度打ったら、違う数字になった。
えええ、どっちが合ってるの……!
そこで役に立つのが、カシオJS-20WKAの検算機能です。一回目の計算操作を記憶し、二回目と照合して、入力が食い違う箇所を探せます。ただし「OK」が出たからといって、書類の読み違いや、計算対象の選び間違いまで全部なくなるわけではありません。
この違いを分かって使うと、検算ボタンに何を任せて、どこを自分で見直すかがはっきりします。
今回はJS-20WKAの公式取扱説明書をもとに、初めて使うときの小さな練習と、表示で迷いやすいところを整理します。公式製品ページでは生産完了品の区分に掲載されている機種です。手元の機種の使い方を確かめたい人にも、流通品を検討する人にも向けた案内で、実機の使用感レビューではありません。
OKは「元の書類も正しい」の印ではない。まず照合する相手を知ろう
JS-20WKAの検算は、一回目と二回目の計算を照合する仕組みです。取扱説明書では、ACを押したあとの計算操作が検算メモリーへ記憶され、検算キーを押してもう一度同じ計算をすると、一致した場合にOKが点灯すると説明されています。
ここでの相手は、元の書類そのものではありません。電卓は紙に書かれた金額をカメラで読み取っているわけではなく、こちらがキーで入れた内容を記憶しています。
たとえば、書類には240とあるのに、二回とも242と読み違えたらどうでしょう。同じ間違いを同じように入力したというだけでは、書類との違いを見つけられません。これは照合の仕組みから分かる限界です。
だから、OKを見たあとにも、どの書類の、どの欄を計算したのかは残しておきたいところ。難しい記録を作る必要はなく、「Aの一覧の1〜3行目、金額欄」という程度のメモでも、あとから戻る場所が分かります。
もう一つ、合計したいのが税抜額なのか税込額なのかも、入力の一致とは別の話です。二回とも違う欄を忠実に入力した場合、その数字の選び方まで電卓が判断することはできません。税の適用をここで決めるのではなく、まず自分の作業で指定された欄を選ぶという話です。
一回目と二回目の入力をそろえる役目は電卓へ。元の書類と、使う欄を確かめる役目はこちらへ。この分担にすると、「検算したのに何で?」という戸惑いの原因を切り分けやすくなります。
同じ答えが出れば全部終わり、と急がなくていいんです。最後の数字に加えて、対象も一緒に確かめる。それが、検算機能を仕事の見直しへつなげる使い方です。
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最初は三つの数字で練習。二回目に違う数字を入れると何が起きる?
いきなり長い一覧を使うより、三つの数字を紙に書いた練習から始めると、表示の意味を追いやすくなります。ここでは説明用に「120+240+360=720」を使います。実際の取引の金額ではありません。
ラウンドセレクターは、公式取扱説明書の計算例と同じFの状態を基準にします。ほかのモードを使う仕事なら、そのモードの意味も別に確かめてくださいね。
たとえば、小数点セレクターを0にしたうえでCUTを選ぶ場合と、5/4を選ぶ場合では、端数の扱いが変わります。CUTは切り捨て、5/4は四捨五入です。7÷2という説明用の計算なら、元は3.5ですが、小数0桁で切り捨てれば3、四捨五入なら4になります。
同じ数字を入れたのに以前のメモと答えが違うときは、この設定にも目を向けてください。二つの答えの違いを見ただけでは、入力を間違えたのか、丸める条件が違ったのかは決められません。
まずACを押し、120、+、240、+、360、=の順で計算します。次に検算キーを押し、同じ数字と計算キーを同じ順に入力します。画面の「検算中」が、今どの段階にいるかを知らせます。
正しく同じ計算を終えた場合、結果は720で、OKが点灯する流れです。最初の一回は、この「一回目を記憶する」「検算へ入る」「もう一度入力する」という順序をつかめれば十分。
続いて、違いを見つける練習をするなら、別の練習として最初から始めます。一回目は正しい240、二回目だけ242と入れる、という例です。何をわざと変えたかを先に紙へ書いておくと、電卓の表示に追いつきやすくなります。
公式説明では、不一致がある場合、計算キーを押したところでブザーが鳴る仕組みです。「訂正」「前」「今」の表示が、食い違った入力を見分ける材料になります。
ここ、最終結果の722を見てから全部打ち直すだけではないんですね。途中の入力に戻って、前回と今回の違いを確かめられるのが、この機能の使いどころです。
ただ、音が出る前提だけで使い方を覚えないでください。ブザーは設定で切り替えられるため、音が聞こえなかったときは画面の状態も見ます。静かな場所で使いたい場合は、取扱説明書の音の設定を確かめてから練習できます。
最初は、正しく同じ入力をする練習と、一か所だけ違う入力をする練習を分ける。両方を一度に起こそうとしないほうが、どの表示が何に反応したかをつかみやすいですよ。
訂正したのにOKが出ない?一回目を直した場合は、表示が違う
いちばん引っかかりやすいのが、「間違いを直して答えも合ったのに、OKが出ない」という場面です。
まず、一回目と二回目のどちらを直したのかを分けてください。
取扱説明書では、一回目の入力ミスを二回目に訂正した場合、OKは点灯しないと説明されています。その場合は検算キーを押すたびに、訂正前と訂正後の計算結果がAの表示とともに現れ、訂正後の内容が検算メモリーに記憶されます。
つまり、OKがないという一点だけで、訂正に失敗したとは決められません。そもそも、一回目と同じだったのか、一回目の内容を直したのかで、読み取る状態が違います。
先ほどの練習でいえば、一回目に240を224と間違え、二回目に元の紙を見て240と入れた場合を考えると分かりやすいです。一回目の計算結果は704、正しく直したあとは720。二つの結果に差が出る理由は、直した数字にあります。
この例は説明用の計算です。実機の表示を撮影したものではなく、具体的なキーの訂正順は、同機種の取扱説明書の図を一緒に見てください。キーの形と「前」「今」の表示を行き来しながら確認するほうが、文章だけで追うより間違いにくくなります。
「今」か「前」が点灯しているとき、検算キーで今回と前回の入力表示を切り替えられます。どちらの数字が正しいかは、元の紙へ戻って判断します。新しく入力したほうが必ず正しい、という決まりではありません。
両方とも間違えたかも、と思ったら、画面の数字を見比べるだけで勝者を決めないこと。紙に戻れば240だった、という根拠を先に確かめます。検算は「一回目の自分を絶対に信じる機能」ではないんです。
また、訂正できるタイミングにも条件があります。説明書には、検算中に誤って計算キーまで押した場合の操作と、=を押して答えを求めたあとにはその操作ができないことが書かれています。あれこれ押し続ける前に、今は途中か、計算を終えたあとかを見ておきましょう。
最初の練習では、「二回目だけ間違えた場合」と「一回目を二回目で直した場合」を、別々の紙にして試すのがおすすめです。同じ720になっても、そこまでの経緯を読めるようになる。それがこの段階の目標です。
100ステップと12桁は別の上限。OVERが出ても計算自体は続く
JS-20WKAは12桁表示の電卓です。一方、検算メモリーが記憶するのは100ステップまで。
12と100、どちらも数字なので、つい混ざるのですが、数えているものが違います。
12桁は数字の表示・計算範囲に関わる情報。100ステップは、一連の検算操作をどこまで記憶できるかの上限です。100桁の金額を扱えるという話でも、数字キーを100回押せるという説明でもありません。
公式説明では、数値と+などの計算キーを一組のステップとして扱います。キーを何回押したかを、そのままステップ数へ置き換えないようにしてください。
95ステップになるとSTEPが点灯し、100ステップを超えるとOVERが点灯して、その計算は検算できなくなります。ただし、そのまま計算を続けることはできます。
ここが大事。計算できたことと、あとから検算できる状態であることが、途中で分かれるんです。
長い一覧を全部打ち終えてから気づくと、戻る量が増えます。分けて処理してよい作業なら、一覧のページやまとまりごとに計算し、対象範囲と小計を紙へ残す方法が考えられます。区切る位置を決めてから始めれば、二回目も同じ範囲を見直せます。
ただし、勝手に小計を丸めたり、仕事で決められた集計単位を変えたりはしません。端数のある計算では、途中で丸める場所によって結果が変わることがあるからです。ここでの提案は、入力範囲を見失わないための整理で、計算条件を変更することではありません。
また、OVERと、計算エラーのEも別の表示です。取扱説明書では、計算範囲を超えたときなどにEが表示され、そのときの数値は概算と説明されています。エラーの印が付いた数字を、通常の確定した答えとして書類へ転記しないでくださいね。
大量の入力が主な仕事なら、何をどこまで記録したいのかも道具選びの条件です。100ステップという範囲に収まる作業で入力を照合したいのか、もっと長い計算の履歴を残したいのか。必要なことを分けると、この電卓の役割が見えてきます。
ACだけで全部まっさら、とは限らない。三つのメモリーを混ぜずに使う
最後に、次の計算を始める前の話もしておきましょう。ACを押して画面が0になると、すべての記憶が消えたように思いやすいのですが、記憶する場所によって扱いが違います。
検算メモリー、独立メモリー、GTメモリー。名前が似ていても、使う目的が違う三つです。
検算メモリーは、今回扱った一回目の操作を照合するためのもの。独立メモリーはM+やM−で数値を加減し、MRで呼び出し、MCで消すためのもの。GTメモリーは計算の答えの累計を扱うためのものです。
ACだけで検算メモリーは消えず、そのあと新しく計算を始めると消える、と取扱説明書にあります。また、検算終了後にCに続けて新しく計算する場合には、検算メモリーは消えないとされています。いつもと違う動きを試す前に、この違いを知っておきたいところです。
税率の設定も、ACを押すだけでは消えず、電源が切れたあとも記憶されると説明されています。画面が0だから初期設定へ戻った、とは限らないんですね。税金計算を使うときには、今回の作業で必要な設定を先に確かめます。
独立メモリーの数値も、ACを押しただけでは消えません。ほかの人が使った電卓や、別の作業で使った直後なら、画面の0だけを見て準備完了にしないで、今回使うメモリーの状態を確かめます。
最初の三つの数字の練習では、MやGTを使う計算まで同時に混ぜず、まず検算の往復だけを確かめるのが分かりやすいです。使い慣れてから、必要な機能を足していけば大丈夫。
買う前の確認なら、本体幅107mm、奥行174.5mm、高さ24.2mm、質量210gという仕様も材料になります。書類と並べて置く場所を考え、片手で持つか卓上で使うかに合わせて寸法を見てください。打鍵感や重さの感じ方は、この数値だけでは決まりません。
掲載している楽天検索はブラックのJS-20WKA-BKを対象にしています。販売ページには色違いもあるため、選択肢の型番まで見てください。生産完了品の流通在庫や保証条件、付属品、価格は、注文する商品の案内で確かめましょう。
手元にすでにあるなら、買い直す前に三つの数字で検算を試すところから。OKが付く経緯、不一致が出る場所、訂正したあとの表示。この三つが分かれば、長い書類の前でも、何を確かめているのかを見失いにくくなります。
合計が違って、どちらを信じるか困ったとき。最後の数字をにらみ続けるより、元の紙と途中の入力へ戻れる道具として使ってみてくださいね。
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出典:カシオ公式JS-20WKA取扱説明書、JS-20WKA-BK公式製品ページ。操作と表示の説明は同機種の取扱説明書に基づき、120・240・360の練習と作業の分け方はこの記事の説明用の提案です。